にわか考古学ファンの独り言(縄文時代)

 竪穴住居について②

 前回の竪穴住居の概要については、話が少し硬くなりすぎましたので、竪穴住居の間取り等について解りやすく述べたいと思います。

 茅葺き住居の場合、最後に茅を使いますが、その茅の代わりに樹皮や草木で下地を作り、その上にその上に土を葺いたものが土葺きです。さらに草などを生やして屋根に根を張らせ、崩れないようにしていたと考えられます。

 またおそらく、夏の間は茅葺の家に住んでいたのではないでしょうか。というのも土葺きの家は、茅葺に比べて密閉度が上がります。そのため、室内の温度も茅葺に比べて上昇したはずです。炉で火を焚くことで空気を乾燥させ温度を下げていたようですが、夏と冬では住まいを変えていてもおかしくありません。土葺きの場合、室内の温度は夏は外気より10℃ほど下がり、冬は暖かくなります。 

 竪穴住居の間取りですが、一般的な住居は大体直径5mほどの円形、または楕円形のような形をしていて、その中央に炉がありました。炉の周りは皆が食事する場所でもあるので、叩き締められて硬くなった床の上に、植物で編んだ敷物などが敷かれていたようです。料理で使う魔石や石皿、煮炊き用の土器が壁際に置かれ、入り口から一番奥には祭壇のような土偶などが置かれていたかもしれません。

 炉の上に作られた棚には、肉や魚を置いて燻製にするために使う他に、普段は使わない荷物などの物置として使っていたと考えられています。

 大型の竪穴住居についても話したいと思います。縄文時代の竪穴住居は、床面積15~25㎡程度のサイズが標準です。数人から10人程度の小規模な世帯を想定させるサイズといえます。しかし、その数倍の面積をもつ長大な家屋が前期・中期の東北地方を中心に発達しました。「長方形大型住居」あるいは「ロングハウス」と呼ばれる家屋の形式です。一般的な竪穴住居の規模をもつことや、長軸上に複数の炉を設置する特徴から、複数の家族が居住する複数家屋とみる説が有力です。渡邊誠は、堅果類の貯蔵と集中的な処理の機能を兼ね備えた雪国特有の家屋と想定しています(渡辺誠1980)。蓋然性のある仮設の一つですが、確証はまだ得られていません。

(参考文献)

谷口康浩「縄文人の技術力」『入門縄文時代の考古学』同成社、2019年

譽田亜紀子「みんなで作る建築物」『知られざる縄文ライフ』誠文堂新光社、2017年