にわか考古学ファンの独り言(弥生時代その②)

 弥生時代の道具

 農耕編

 弥生時代になると、生活に関するさまざまな道具が登場します。稲作に関する道具はもちろん、「そんなものまで使っていたのか?」と思うような道具まであります。そこにあるのは、「少しでも暮らしを便利に」「作業を楽に」という弥生人たちの思いの結晶だったのかもしれません。

 水田稲作

 ひと口に稲作と言っても試行錯誤の連続だったはずです。土地を平坦にならして水田を作ることから始まり、土地を耕してやわらかくしたり、畔を盛ったり、水の管理をしたり、苗が虫にやられないように気を配ったり、成長する時期には雑草を抜いたりと、やることは山のようにあったはずです。

 イネが成長してコメが実ると収獲です。収穫と言っても、今のように全ての稲穂が一斉に大きくはなりません。穂によっては成長はまちまちですから石包丁と言われる道具で、実った稲穂だけを積み取っていきます。その後、籾殻が付いた状態で乾燥させた米を高床式倉庫などで備蓄し、状況に合わせて杵と臼を使って脱穀・籾すりして食べる、という流れで暮らしが回っていました。また、穂先を刈り取った後は、根の部分を刈り取らなければなりません。そのために木製・石製・鉄製の鎌が作られました。鉄製の鎌が登場するのは弥生時代の終わり頃と考えられます。弥生時代の農具の多くは、現在でも素材を変えて存在しています。日本の農業の基礎は弥生時代から始まったと言っても過言ではありません。

(参考文献)

譽田亜紀子「弥生時代のイチオシ便利グッズ」

     『知られざる弥生ライフ』誠文堂新光社2019年