2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

にわか考古学ファンの独り言(弥生時代)

弥生中期後半~中期末(前2世紀~前1世紀)① 文明との接触ー鉄を求めた倭人 前108年、前漢の武帝は朝鮮半島支配の出先機関を設置しますが、そのうち平壌あたりに置かれたのが楽浪郡です。従来の弥生研究では、弥生人が中国世界と接触するようになるのは楽浪…

にわか考古学ファンの独り言(弥生時代)

弥生前期末~中期前半(前4世紀~前3世紀)⑤ 鉄器の出現 青銅器と並ぶもう一つの金属器である鉄は、青銅器とは異なる機能をもちます。開墾や水田・畑での農作業に用いるクワやスキの刃先につけるくわ先やスキ先、収獲具の鉄鎌、木を伐採して種々の木製品を作…

にわか考古学ファンの独り言(弥生時代)

弥生前期末~中期前半(前4世紀~前3世紀)④ 青銅器の出現 世界史的に見ると西洋では利器(武器)として使われた青銅器ですが、中国を中心とする東アジア世界では、祭器や礼器としてまつりに使われた点に特徴があります。弥生青銅器も基本的には祭器ですが、…

にわか考古学ファンの独り言(弥生時代)

弥生前期末~中期前半(前4世紀~前3世紀)③ 貝塚後期文化 この文化は前10世紀後半~前5世紀に始まった文化で、奄美・沖縄諸島に広がる珊瑚礁という生態系に特化した文化です。珊瑚礁から得られる特殊な貝を元手に、朝鮮半島・九州・先島諸島などとの直接・…

にわか考古学ファンの独り言(弥生時代)

弥生前期末~中期後半②(前4世紀~前3世紀) 水田稲作を採用しなかった人びと 続縄文時代 前4世紀前葉には青森県まで達した水田稲作が、津軽海峡を渡ることはありませんでした。同様に九州南部、鹿児島まで達した水田稲作も、種子島・屋久島へと渡ることはあ…

にわか考古学ファンの独り言(弥生時代)

弥生前期末~中期後半①(前4世紀~前3世紀) 前4世紀の本州・四国・九州で起こった大きな出来事は、本州最北端の青森でも水田稲作が始まったこと、鉄や青銅という金属器が登場すること、鏡や武器などの青銅製品を副葬品に持つ特別な人びとが九州北部に現れる…

にわか考古学ファンの独り言(弥生時代)

弥生早期後半~前期後半③(前9世紀後半~前5世紀) 畑作地帯の人びと 水田稲作が始まる数100年前からアワやキビを栽培していたと考えられている人びとがいます。長野県飯田市や松本市では、畑の跡や明確な農具が見つかっているわけではありませんが、前8~前…

にわか考古学ファンの独り言(弥生時代)

弥生早期前半~前期後半②(前9世紀後半~前5世紀) 水田稲作の拡散 これまでの水田稲作は、九州北部から西日本各地に瞬く間に広がったと考えられていました。こうした考え方は意外と古く、戦前から存在していましたが、その理由は二つあります。一つは九州北…

にわか考古学ファンの独り言(弥生時代)

弥生早期後半~前期後半①(前9世紀後半~前5世紀) 農耕社会の成立 前9世紀後半になると、玄界灘沿岸地域には様々な変化が起こります。環濠集落の出現、有力者の登場、そして戦いの始まり。これらはいわゆる農耕社会が成立して、社会が質的に変化したことを…

にわか考古学ファンの独り言(弥生時代)

弥生時代早期前半(前10世紀後半~前9世紀中ごろ) 水田稲作の始まり③ 利器は石器だけ 杭や農具などの木製品を作る道具は石器であります。鉄の道具が使われるようになるのは、最も早い九州北部でもそれから600年後まで待たなければなりません。石器の中心は大…

にわか考古学ファンの独り言(弥生時代)

弥生早期前半(前10世紀後半~前9世紀中ごろ) 水田稲作の始まり② 最古の弥生土器 考古学においては、水田稲作の開始をもって弥生時代が始まると定義していますので、最古の弥生土器はもっとも古い水田稲作にともなう土器、ということになります。 現在、最も…

にわか考古学ファンの独り言(弥生時代)

弥生早期前半(前10世紀後半~前9世紀中ごろ)水田稲作の始まり① 炭素14年代測定法の衝撃により、弥生時代の開始年齢が前5~前4世紀から前10世紀に約500年さかのぼったことにより、弥生時代の歴史は前10世紀から始めたいと思います。日本列島で最初に水田稲…

にわか考古学ファンの独り言(弥生時代)

「イネと鉄」の時代の弥生文化から「イネと石」の時代の弥生文化へ 前回の炭素14年代測定の衝撃により、弥生時代の開始年代が前5~前4世紀から前10世紀に約500年さかのぼっても、水田稲作を伝えた人たちが朝鮮半島南部の青銅器文化に属する人びとであったこ…

にわか考古学ファンの独り言(弥生時代)

炭素14年代測定法の衝撃 前回の縄文時代編では、ブログを20回にわたってアップしましたが、内容が少し学術的で硬い文章になってしまいましたので、あまりアクセスされなかったようです。そこで、今回の弥生時代編では解りやすく面白い文章を心掛けて書いてみ…